国府宮はだか祭りに参加しました このお祭りは参加するほうが断然楽しいですよ。

地域

こんにちは、矢印タカシです。

愛知県稲沢市で毎年2月の寒い時期に行われる「国府宮はだか祭り」に参加してきました。 今回は3年前についで2回目の参加ですが、前回は小雪の舞う寒い日(気温3度)だったのに対し、今回は快晴で気温もあがりお祭りも盛り上がりました。(気温12度) 名古屋近郊の方なら、一度は聞いたり見たりしたことがあるお祭りですが、もし「参加してみたいな」という方のために、今回は当日の流れを書いてみました。 この祭りは見るよりも参加するほうが楽しいですし、稲沢市民でなくても参加できる敷居の低いお祭りです。 

国府宮はだか祭りとは

はだか祭りは毎年、旧暦の正月13日から翌朝にかけて行われる県指定の無形民俗文化財です。 

愛知県稲沢市国府宮(こうのみや)にある尾張大国霊神社(おわりおおくにたまじんじゃ)に伝わる儺追神事(なおいしんじ)の通称です。 神男(しんおとこ)と呼ばれる一人の儺追人(なおいにん)に厄災や穢れを負わせて、さいごに土餅(どべい)と呼ばれる餅に移して土に埋めることで厄落としをする神事です。

ニュースなどで取り上げられるのは神男が、触ることで厄から逃れようとする裸男の集団にもみくちゃにされながら、一時間ほどかけて儺追殿(なおいでん)と呼ばれる建物に入るまでの部分です。 はだか祭りの一番のクライマックスですね。

裸男が参加するのは当日の昼前後から夕方6時ごろのクライマックスまでですが、神事自体は翌日まで続きます。

参加するには? 準備するもの

もし本気で参加を考えているのなら、知り合いを頼るのが確実で安心です。

はだか祭りを知っている地域なら、知り合いに参加したことがある人がいると思います。 知り合いの知り合いでも構いません、どのみち裸のつきあいをするので仲良くなりますし、稲沢市民じゃなくても全然ウェルカムなのがこの祭りの特徴です。

どうしても知り合いがいないけど参加したい方は市役所に問い合わせるといいでしょう。 ツアーのような形で一般参加者を募っている旅館(和陽館)もあります。

いずれにせよ「どこかの町内」から参加する形になるので、そこのやり方を守らなければいけませんし、宿と呼ばれる当日の世話をしてくれるお宅があり、そこで着替えや食事などをすることになります。

準備するものは町内(宿)によって違うかもしれませんが、お酒の一升瓶2本セットを宿にお世話になるお礼として渡したり、封筒に現金5千円を入れて渡すところもあるようです。 ちなみに私の参加したところは3年前にお酒を渡しましたが今回は参加者で話し合って現金にしました。 

あとは「さらし(ふんどし用)、なおい布(参列者に配ったりするもの)、足袋」の三点セットとタオルくらいです。 3点セットははだか祭りのひと月ほど前から稲沢市内のショッピングモールなどで売られています。 これも聞いたほうが早いです。

はだか祭り当日の流れ

町内によりますが私の場合、朝の10時に宿に到着しのんびりと世間話をして過ごしました。 お昼ごろに宿から出される豪華仕出し弁当(推定3千円)や高級出前寿司(推定ひとおけ1万円)で腹ごしらえをします。

最初に5千円を渡していますが、この時点で元が取れています。 

ついでによくわからない大吟醸酒(推定5千円)を「美味い美味い!」と飲んでいると、順番に呼ばれてお風呂に入りその後に宿の主人に密室で真っ裸になりさらしを巻かれます。(妙な緊張感があります)

準備が出来たら外へ出て「なおい布」に自分の干支や年齢・氏名や「奉納・尾張大国霊神社・無病息災」などと書き、なおい笹(七夕で使うような笹です)に結びつけます。 この時点で町内の各家庭から同じように願い事を書いたなおい布が結び付けられており、知らない人が見ると七夕の短冊がハンカチになったような感じにしか見えません。

その「なおい笹」を担いで近所の神社に移動します。 そこでお参りをしたらいざ出発です。 掛け声はひたすら「わっしょい!わっしょい!」です。

私たちの町内は参加人数も10名以下なので、隣のおおきな町内に合流して国府宮のゴールを目指します。 隣町と合流するとすぐに「なおい笹」を束ねて縄でしばり、その上から紅白のさらしでグルグル巻きにして再び縄で「持ち手」をつけます。

すべて終わると再び出発するのですが、この時点で裸男が3~40人という大行列になります。 なおい笹を持って車道をわっしょい!わっしょい!です。

ちなみに乗用車が後ろに来ても避けませんし、信号も無視状態です。(警察が見てくれる) 個人的にこの「合法的な暴走族」のようなお祭りのルールが快感です。

地元の人は分かっているので怒ったりはしませんし、笑顔で手を振ってくれたりします。(もしくは参加者の身内だったり)

大きな交差点では「ウォー!」という掛け声とともに交差点に進入し、グルグルと2週ほどして交差点を抜けていきます。 前回は2周した後になおい笹を交差点のど真ん中に立て(5メートルほどあります)、町内名を大声で叫ぶというパフォーマンスをしたのですが、昨年事故があったらしく今年から立てることが禁止になってしまいました。

楽しみにしていたのですが。 復活はあるのかな?

そうやってなおい布を配りながら2時間ほど練り歩くと目的地の「国府宮神社(通称)」が見えてきます。 各地から裸男の集団が集まってくるので現場は神社に入るための順番渋滞が発生します。 その間もわっしょい!わっしょい!で寒さと闘います。(途中、日本酒や食べ物が振舞われるので困らない)

参道に入り楼門をくぐればいよいよクライマックスです。 ここも「ウォー!」と叫びながら全力ダッシュで楼門をくぐり待ち構えている神社のかたになおい笹を奉納(半ば投げつけているような)して全てが終わります。

ここからは人によって違い、神男を触るために夕方までスタンバイする組と、私たちのようにさっさと迎えの車に乗って宿に帰ってしまう組にわかれます。

神男に触るのは至難の業で、初参加で簡単に触れるようなものではありません。 映像を見ればわかりますが、みな本気で行っているので命がけです。

何回か参加して経験を積んでからのほうが無難な気がします。 面白半分で突入すれば命の保証はありませんし、実際に倒れて踏みつけられて亡くなった方もいます。

まずは参加してみて経験者に話を聞いてみましょう。

宿へ帰ると「夜の宴」が準備されており、まずはお風呂で汗を流し体を温めて着替えも済ませます。 全員揃ったらケーブルテレビで神男が出てくるのを待ちながら宴を始めます。

宿によって内容は違うかもしれません。 あくまで私がお世話になった宿の場合です。

私は3年前にも参加していますが、食事の内容は同じでした。 

まずは「すき焼き」なんですが、飛騨牛5等級と印字された見たこともないパック(推定1万円以上)が無造作にしかも大量に置いてあります。 そのまま持って帰りたいです。

そして昼間とは「別の」寿司が用意され、これまた大吟醸酒が飲み放題になります。 その他にも刺身やデザートのイチゴや甘いものが並んでいますが、どれも一番高いやつというのが一目瞭然です。 ケチることを知らないのでしょうか?(笑)

多分、浦島太郎が竜宮城で食べた料理よりも豪華だと私は思っています。

まとめ

はだか祭りは年によって平日の開催になります。 次の週末開催は2022年の2月13日(日曜日)になります。 詳しくは「はだか祭り年表」で。

寒いですがふんどし姿になれる機会はそうそうありません。 不思議なものでふんどしに足袋をはき、町を練り歩くことは一度やるとクセになります。 それくらい楽しいですし経験して本当によかったと思います。

そして宿での接待がすごい! とにかく、豪華にもてなして頂けるので感謝しかありません。 そして地元の方との交流も一生の宝になります。

もし、「はだか祭りに参加したんだ~」という人を見つけたらチャンスです。 

ぜひ一度、めったに出来ない貴重なはだか祭りを体験してください。 

男に生まれたなら一度はふんどし姿になってみませんか?