毎日捨てられる「食べられなかった食べ物たち」 食品ロスについて少し考えてみませんか?

家庭

こんにちは、矢印タカシです。

私たちのように先進国に住んでいる人間は食事に困ることはありません。 それどころか「いつでも」「色んな種類を」「安く」「大量に」消費しています。 仲間で食事をすることはコミュニケーションとして大切ですし、栄養の事も考えるとたくさんの新鮮な食品をたべたいですよね。 その一方で作りすぎてしまった、食べ残してしまった、商品として売れなかったなどの理由から、大量の食品が今日も捨てられています。 あまるんだから仕方がないで済む話なのでしょうか? 私たちに何かできることはないのでしょうか? 今回は「食品ロス」についてのお話です。

食品ロス 食べれるのに捨てられる食品たち

家庭から出る食べきれない野菜や肉・魚、賞味期限が切れてしまったスーパーやコンビニのお弁当やお惣菜。

まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」は国内で年間650万トンにもなります。 

数字が大きすぎてわかりずらいですが、私たち国民全体で毎日お茶碗一杯のご飯を捨てているのと同じことです。

たかがご飯一杯でしょうか? いろんな意味でもったいないと思いませんか?

ちなみに「売れ残り・規格外」などで捨てられる事業系の食品ロスは352万トン、たべ残しが原因で家庭から出るものは291万トンになります。

思ったよりも家庭での食べ残しって多いんですね。

フードバンクは食品ロスの救世主になるのか

最近、ニュースなどで耳にする「フードバンク」とは一体どんなものなのでしょうか。

フードバンクとは賞味期限内でも包装に問題があり、市場で販売できなくなった食品を企業から寄付を受け、ホームレスや児童施設などへ配給する団体のことです。

企業側も廃棄にかかるコストを減らせるうえ、企業イメージの向上にもつながるので双方にメリットがあるといえます。

では、フードバンクというシステムを通じてどれだけの食品ロスが軽減されたのでしょうか?

日本国内には約100団体のフードバンクがあると言われています。 それら全体で配るのは年間約3800トンです。

食品ロスが650万トンあまりですから、フードバンクを通じて配られるのはわずか0.1%です。

残りの99.9%はそのまま食べられることもなく捨てられていく運命なのです。

やはり、食品ロスそのものを減らす仕組みや、個人の努力が必要なんですね。

世界では9人に1人が栄養不足

国連機関の統計では世界中で約8億人(全人口の9人に1人)が栄養不足の状態です。

余ってるからといって食品ですから遠くの国へ送ることも難しいです。

ですが、飢餓に苦しむ人々にむけた食品援助量の2倍にあたる食べ物を、日本は「食品ロス」として捨て続けています。

このため法律で「食品ロス削減推進法」というものを作る動きがあります。

食品メーカー、販売店、消費者のすべてに協力を求める内容です。

そもそも、食品ロスを生み出す原因のひとつにスーパーなど小売業者にある「三分の一ルール」というものがあります。 たとえば賞味期限が6ヵ月の食品の場合、2ヵ月以内に納品(三分の一)しなければ返品か廃棄処分されます。

その後、4ヵ月以内に売れなければ(賞味期限までまだ2か月あっても)撤去して処分するというルールです。 私たちが激安販売店でよく見る食品は、こうして集められた「賞味期限が近い」ものだったんですね。

消費者も「なるべく新しくて期限が長いものを」選びますし、小売店も「古い商品はイメージが悪くなる」から早く売るか処分したいのが実情です。

でも、この仕組み(考え方)こそが大量の食品ロスを生み出している元なんですね。

私たちひとりひとりに何ができるのか

食品メーカーだけが悪いわけではありません。 それを買っている私たちにも責任はあります。

では、どうすれば食品ロスを減らしていくことができるのでしょうか?

地味なことですが、「買う前に冷蔵庫を確認して買いすぎないようにする」、「料理を作りすぎない(食べきれるだけ作る)」、「賞味期限が長い食品をわざわざ選ばない」、「飲食店で食べきれなかったら持ち帰る」などです。

とくに賞味期限が長い食品を選んでしまうのは誰でもやってしまうことですよね。 同じお金を出すなら期限が長いほうが新鮮なのでは?と思ってしまいますよね。

でも、期限内に食べきれるのであれば日付は関係ないはずです。 長いほうが新鮮、短いもの痛んでるかもという思い込みを減らせれば食品ロスも減らせるはずです。

すぐに意識は変えられないかもしれませんが、ひとりひとりの勇気ある行動が「無駄でもったいない」食品ロスを減らすことにつながります。

贅沢は幸せなことではない

戦後、何もなかった時代から高度成長期を経て現在の日本はとても豊かな国になりました。 

欲しいものはお金さえ出せばなんでも買える時代です。 大量に作り大量に消費する、この流れこそが世の中を豊かにする仕組みの中で生活しています。

食品はいつでもどこでも「必要以上に」手に入ります。 要らなくても割り引かれるとついつい買ってしまいます。 結果、食べきれずに捨ててしまっても罪悪感は薄くなっています。

物があふれることが本当にしあわせなんでしょうか? そんな考えはバブル時代で終わっています。

ブームから定番化しつつある「断捨離」という考え方は、食品にも当てはめられないでしょうか。

要らないものは「買わない」

たったこれだけです。

安く売っているから、セットメニューでお得だから、賞味期限がせまっているから。

そんな理由で食べられる食品を「ゴミ」にするのはやめませんか?

作りすぎた食品を、こんどは捨てるのにお金を使っているのが現状です。

そのお金を栄養不足の人々のもとへ送ることは出来ますよね。 食品は送れませんがお金なら送れます。

食品ロスということはそうゆうことなんです。

こんどスーパーやコンビニへ行ったとき、少しでもこの話を思い出してくださいね。

それでは、また。