児童相談所とはどんな活動をしているのか? 虐待を見つけたら通報する義務があるって本当?

家庭

こんにちは、矢印タカシです。

最近、ニュースなどでよく耳にする「児童相談所」というキーワード、虐待されている子どもを保護したりする施設だということは知っていても、その実態は詳しく知りませんよね。一体どんな活動をしているのでしょうか? 今回は「児童相談所」についてのお話です。

児童相談所とは?

児童相談所は児童福祉法という法律に基づいて設立されており、都道府県や政令指定都市に最低一か所の設置が義務付けられています。

「児童」とは0歳~17歳までを指し、児童が抱える問題や児童を巡る問題などについて学校や保護者の相談に応じるので「児童相談所」と呼びます。

対応するのは児童福祉司や児童心理司という専門家で、親から虐待を受けているという通報があれば、その家庭に実際に訪問して問題解決の相談に乗ったりします。

ちなみに児童福祉司は保育士など「士」がつく職種のように特定の資格を指すものではなく、児童相談所に配属された公務員の職種名です。

平成27年度現在で児童相談所の数は全国208か所あり、児童福祉司は3千名弱います。 これは平成11年度と比べると約2.4倍に増えており、虐待相談の対応件数がそれだけ増加してきているということでもあります。

どんな活動をしているのか?

相談では解決できずに虐待が止まらない場合などは、子どもを親から引き離して保護することもします。 そのため児童相談所の中には子どもを保護するための部屋があります。

ところが子どもを引き離されたことに怒って「子どもを返せ!」と乗り込んでくる親もいますが、こういう場合は児童相談所の職員が体を張って子どもを守るケースもあります。

他には親が家出してしまったり、入院して育てることが困難になってしまった子どもの養育について相談に乗ることもあります。 発達障害や不登校の子どもについても児童相談所では相談の窓口になっています。

虐待を見つけたら? 通報の義務

意外と知られていませんが虐待を発見した場合、児童福祉法に定められた通りに「児童相談所に通報する」という義務があります。

虐待を発見した場合、全国共通ダイヤル189(いちはやく)に電話してください。 24時間対応しています。

まとめ

虐待のニュースはもはや珍しいものではなくなりました。

悲しいことに児童相談所が関与していたにも関わらず、親の暴力で命を落とすケースも約3割ほどあります。メディアでは児童相談所を非難されたりしますが、児童福祉司の数が足りないなど他にも原因があるのかもしれません。

ひとりの児童福祉司が100件ほどの虐待案件を抱える異常な状況を指摘する声もあります。

政府は2022年度までに今よりも2000人増やすプランを発表していますが、早急な対応が望まれます。

東京のある地域のように児童相談所の建設そのものを反対する運動もニュースになりました。 非行少年を受け入れるのは危険だからという理由からですが、児童相談所が無ければ命を落とす子どもがいることも分かってほしいと個人的に思います。

そして通報の半数以上は警察からの問い合わせだという事実も知ってください。 一般の方が通報するケースはまだ少ないということです。 亡くなってから報道のインタビューに「いつも怒鳴り声が聞こえていました。」と答えるのではなく、異常に感じたら躊躇せずに通報してほしいと思います。

子どもにとって親は絶対的な存在です。 他人と違って「助けて!」と言いづらい面もあります。 私たちのような大人がいち早く「通報」することで、子どもを助けると同時に親を加害者にせずに済むかもしれません。

これを機会に「189(いちはやく)」という番号を覚えてくださいね。

それでは、また。