「終わりよければすべてよし」の心理学。 別名「ピークエンドの法則」について。

人生

こんにちは、矢印タカシです。

社内の人間関係になやみ、退職を選択したのになぜか嫌いだったあの人のことが許せるような気がする。 立つ鳥跡を濁さずとも言うし、ここは笑顔でお礼を言って別れようかな。 そんな気持ちになったことはありませんか? 大好きだった恋人なのにすれ違いが続きやがて別れを意識する。 でも思い出を汚したくはない。 だから憎しみは一度忘れて感謝の気持ちを伝えよう。 そうすることで自分も救われる気がする。 こんな「最後はきれいな終わり方がしたい!」と思うのは、実は「ピークエンドの法則」が働いているからなんです。 今回はなぜ人は最後に思い出を美化するのかについてのお話です。

終わりよければすべてよし。 ピークエンドの法則とは

ピークエンドの法則はノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン教授が発表した理論で、人は過去の経験をピーク(最良or最低)とエンド(終わり方)によって判断しているというものです。

例えば楽しかった夏休み、友達と海水浴や花火などたくさんの思い出を作ったはずなのに、思い出すのは財布を落としてしまい警察に行ってたいへんだったという記憶。 もちろん海水浴や花火の思い出が消えるわけではないのですが、月日が経って思い出してみると「あの時は大変だったなぁ。 予定も吹っ飛ぶし警察であれこれ聞かれるし。」という具合です。

恋人とのデートではどうでしょうか。 朝から快晴で気分もサイコー! ドライブも楽しかったし、途中で食べたランチもとてもおいしかった。 ふたりの距離が縮まった気がするし、今回のデートは最高だったな~! でも、別れぎわに恋人と些細なことで口喧嘩しちゃった。 なんだかすべての思い出が台無しになっちゃったな。

こんな具合に「その思い出の中で一番強く記憶に残るのは、一番インパクトのあったことか一番最後の印象」だということです。

イメージとしてはすべての経験をまとめたものが、その経験の印象として残るように思われますが、そうでは無いということが言えるでしょう。 

恋愛でもビジネスでも使える「ピークエンドの法則」

つまり、ピークエンドの法則を逆手にとってうまく使えば相手にいい印象を与えることが出来るわけです。

いつも通りのマンネリ化したデートでも、最後にインパクトのあるサプライズを用意すれば相手にとって「最高な一日」という印象を与えられます。 さっさと手を振って「バイバ~イ! また連絡するね。」ではなく、改めて自分の気持ちをしっかり伝えるだけでも、平凡だった今日一日をひっくり返すほど好印象を与えられるかもしれません。

ビジネスでも同じことが言えます。 時間ばかりかかって話がまとまらない交渉でも、最後に「ありがとうございます!これからも宜しくお願いします!」と締めくくれば、相手も「なんだかんだ交渉してよかったな。」といい印象を残せますよね。

スポーツの世界でも当てはまります。 ラグビーの試合では試合終了のことを「ノーサイド(敵も味方もない)」と呼びますが、これは戦いがが終わりお互いの健闘をたたえ合うためです。 

野球中継ではそのゲームの流れよりも、最後のヒーローインタビューのほうが記憶に残ったりします。 つまりピークエンドの法則が働いているということですね。

終わりよければすべてよし

普段の生活の中でいかに「シメ」が大切かわかって頂けたでしょうか?

何かにチャレンジして失敗続きで嫌になる。 でも最後に成功でシメることが出来たなら、すべての努力は報われていい思い出になるはずです。

自分の中で何かを終わらせようと考えているなら、必ずハッピーエンドになるようにすれば、イヤな思い出を引きずることなく次のステップを踏み出せるでしょう。

私たちの人生は出会いと別れの繰り返しです。 いい思い出をたくさん作って前向きに歩んでいくためにも「終わりよければすべてよし」を忘れずに実践していきましょう。

それでは、また。